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堀口大學コレクション

<解説>

平成9年(1997)、長岡市立中央図書館は、高知市在住で堀口大學関係資料のコレクターとして知られた千頭將宏(ちかみ・まさひろ)氏から多くの資料を購入しました。

「堀口大學コレクション」は、この資料群を基にし、その後も蒐集を続けているもので、現在の総数は6,610点となっています。

千頭氏は、古書店で買い求めた『フランシス・ジャム詩抄』第一書房版の表紙の美しさに魅せられたことをきっかけに堀口本の蒐集を開始。

後年には堀口大學自身からも資料の提供を受け、記された千頭氏宛の短文・署名が二人の交流を物語っています。

本コレクションは、堀口大學の著訳書のほとんどを収録し、その範囲は初版・限定版から再版・改版までに及びます。

例えば、訳詩集『月下の一群』は第一書房版の他、白水社版・新潮社版・名著復刻全集版・講談社版があり、第一書房社主の長谷川巳之吉(新潟県三島郡出雲崎町出身)による豪華で美しい革製の装丁と他社版のバリエーションを楽しむことができます。

また、全集・単行本に未収録の作品の掲載誌、未発表作品の原稿(含自筆)も貴重です。

その他、作品の引用書や新聞記事・広告・パンフレット等、堀口大學にふれた資料は全て蒐集対象になっています。

小澤書店が、『堀口大學全集』刊行の際に全巻を通して依拠したことからもわかるように、本コレクションは堀口大學研究者必見の資料群といえます。

本コレクションは、閲覧のみ可能です。(事前に指定の申請書の提出が必要)

詳しくは中央図書館窓口でお尋ねください。


<参考文献>

•千頭將宏「紙魚ある宝玉」(『堀口大學全集』月報4、小澤書店、1982年)
•「年譜」(『堀口大學全集』9、小澤書店、1987年)
•「堀口大學コレクションの魅力」(『図書館の窓から』75、長岡市立中央図書館、1997年)
•吉岡又司「堀口大學 昭和詩の扉を開いた」(『ふるさと長岡の人びと』、長岡市、1998年)

<略歴>(『ふるさと長岡の人びと』より)

 明治25(1892)年 1月8日、堀口九萬一の長男として出生
 明治27(1894)年 父の朝鮮赴任のため長岡東神田に住む
 明治42(1909)年 旧制長岡中学校卒業。一家上京。9月与謝野鉄幹の新詩社に入門
 明治43(1910)年 慶応義塾大学文学部予科入学。詩歌発表始める
 明治44(1911)年 7月父の任地メキシコ赴任の途中喀血、ホノルルで入院。メキシコ滞在
 で仏語を勉強
 大正2 (1913)年 4月帰国。9月父の新任地スペインヘ
 大正3 (1914)年 再度喀血、スイスで療養
 大正6 (1917)年 1月単身帰国
 大正7 (1918)年 父とブラジルヘ
 大正8 (1919)年 処女詩集「月光とピエロ」、処女歌集「パンの笛」刊行以後多数出版
 大正12(1923)年 父とルーマニアヘ。14年帰国
 昭和20(1945)年 妻の実家中頚城郡関川村(妙高市)に疎開
 昭和21(1946)年 高田市(上越市)に転居
 昭和25(1950)年 神奈川県葉山に転居
 昭和32(1957)年 芸術院会員になる
 昭和54(1979)年 文化勲章を受章
 昭和56(1981)年 3月15日、死去